【地域創生分野】
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橿原市の郷土料理「さなぶり餅」を広めよう
地元・橿原市の郷土料理について「何があるか思いつかなかった」という素直な疑問からスタートしたこの班のプロジェクト。生徒らが注目したのは、地域に伝わる「さなぶり餅」でした。 その知られざる魅力と、次世代へつなぐための課題、そして店主の熱い想いに迫った探究のプロセスを紹介します。
1. 仮説と現実:地元民も知らない「郷土の宝」
生徒たちは当初、「多くの人がさなぶり餅を知れば、それが橿原市の魅力向上につながるはずだ」という期待を持って調査を開始しました。 しかし、学年の生徒249人を対象に行ったアンケートでは、驚くべき結果が出ました。奈良県の郷土料理として「柿の葉寿司」や「奈良漬」は高い認知度を誇る一方で、さなぶり餅を知っていたのはわずか14人。 「地元の郷土料理自体の知名度が低い」という厳しい現実に直面し、生徒たちは自分たちの足でその真相を探るべく、専門店へと向かいました。
2. 問いの深化:伝統を守るための「変化」と「こだわり」
100年以上の歴史を持つ「総本家さなぶり屋」での実地調査を通じて、生徒たちは多くの発見をしました。 かつて田植え終わりの休息(さなぶり)に食べられていたこの餅は、つぶした小麦(全粒粉)を使用し、つぶつぶとした独特の食感とヘルシーさが特徴です。 店主へのインタビューでは、「常に新鮮なものを届けるため、作り置きは一切しない」「次世代に親しんでもらうため、本来の餅にはない甘みを加えている」といった、伝統を継承しつつも現代に合わせるための細やかな工夫と情熱を知ることとなりました。
3. 探究の到達点:SNSを越えた「顔の見える」交流へ
一連の検証を経て、生徒たちは知名度が低い原因として「アクセスの不便さ」や「SNSの活用不足」といった現代的な課題を導き出しました。 しかし、彼らが最終的にたどり着いた結論は、単なるデジタル広報の強化だけではありませんでした。「地域の良さや宝物を知ってもらうために、実際に餅つきイベントに参加したり、伝統行事に出店したりといった、泥臭いけれど直接届ける活動こそが大切だ」という確信です。 「さなぶり餅を広めたい!」という店主の想いに寄り添い、自作のポスターを掲げて地域と共に歩もうとする、熱意あふれる発表となりました。