【運動(健康/運動)分野】
【運動(健康/運動)分野】
睡眠の質向上
~科学的アプローチで挑む「理想の睡眠」~
「十分な睡眠時間をとっているはずなのに、授業中なぜか眠い」。そんな高校生ならではの切実な矛盾からスタートしたこの班のプロジェクト。 彼らは「眠気」という生理現象に対し、感覚ではなく科学的なデータを用いて切り込みました。5日間の検証実験で見えてきた、予想外の結果と探究のプロセスを紹介します。
1. 仮説と現実:睡眠は「量」か「質」か
生徒たちは当初、「睡眠不足=時間の不足」と考えがちですが、現実はそう単純ではありませんでした。そこで彼らは「睡眠の量(時間)ではなく質(効率)を改善するための、最も再現性の高い因子は何か」という問いを設定しました。 検証のために用意したのは、「完全な暗室」「就寝前ストレッチ」「睡眠用BGM」「機能性飲料(乳酸菌)」という4つの変数と、何もしない基準日。睡眠管理アプリ「Sleep Meister」を駆使し、目に見えない「睡眠効率」を数値化して比較するという、綿密な実験デザインを構築して調査に臨みました。
2. 問いの深化:データが暴いた「主観」のズレ
5日間にわたる連続データを分析した結果、生徒たちは興味深い事実に直面します。 事前の予測では、リラックス効果のある「ストレッチ」が有効だと思われていましたが、実際のデータで最も高い睡眠効率を叩き出したのは「機能性飲料」、次いで「睡眠用BGM」でした。 この結果から、彼らは「自分たちが『効きそう』だと感じる主観と、実際の身体データ(客観)にはズレがある」という重要な事実に気づきました。感覚だけに頼らず、デジタルツールを用いて自分自身を客観的にモニタリングすることの重要性を、身をもって学ぶ機会となりました。
3. 探究の到達点:生活を「システム」として捉える
一連の実験を経て、生徒たちが得たものは単なる「よく眠れるライフハック」ではありません。 彼らが最終的にたどり着いたのは、「自分自身の生活習慣を一つのシステムとして捉え、改善のために仮説と検証を繰り返す姿勢こそが重要である」という本質的な学びでした。 「何となく」で済ませがちな健康管理に対し、論理的な思考で最適解を導き出そうとする、生徒たちの成長と頼もしさが感じられる発表となりました。