互いに心を開き、敬い合う「和敬」の精神。高田高校ではこの校訓を大切にし、一人ひとりの「自分らしさ」を尊重しています。生徒自身が主体となって考え、誰もが安心して過ごせる温かい学校文化を創り上げていきます。
6月「人権を確かめ合う日」ヒューマンハート特別企画 みんなの声
~「助けて」のその先へ。高田高生が考える、物価高騰と食のセーフティネット~
高田高校が大切にしている「和敬」の精神。互いに心を開き、敬い合う心は、物価高騰が深刻化し、これまでの「当たり前」が崩れかけている現代社会において、どのように機能していくのでしょうか。
6月のヒューマンハート特別企画『「助けて」と言った時、もう箱は空っぽかもしれない』で実施したアンケートには、全校生徒から非常に真摯な思いとリアルな実感が寄せられました。その集計結果を紹介します。
データの背景:多くの生徒が「セーフティネットの危うさ」に危機感
「いざ自分が助けを求めようとしたとき、目の前の箱が『空っぽ』だったとしたら?」という問いに対し、高田高生たちのリアルな意識が数字として浮き彫りになりました。
1. 強いショックと、社会からの孤立感・絶望感を感じると思う:29.8%
頼れると思っていた最後の場所が空っぽだった時の、強いショックや孤立感を「自分ごと」として捉える生徒が最も多くなっています。
2. 「あって当たり前」だと思っていたセーフティネットの危うさに、強い危機感を覚える:25.0%
昨今の情勢から、今まで当たり前だった仕組みが簡単に崩れ去ってしまうことへの生々しい怖さを実感しています。
3. 「平気なフリ」をせず、もっと早く周囲にSOSを出せばよかったと後悔するかもしれない:19.1%
プライドや迷惑を考えすぎず、手遅れになる前に周囲を頼ることの大切さに気づかされたという声が目立っています。
4. 誰もが明日「助けを求める側」になるからこそ、余裕がある時に自分が「箱を満たす側」になりたい:10.6%
助け合いの連鎖を絶やさないために、自分に余裕がある時は積極的に支える側に回りたいという前向きな意志が見られます。
5. 仕組みの大切さは理解できるが、今の自分に具体的に何ができるかはまだ想像がつかない:14.6%
「今は親が食事を用意してくれているので実感が湧きにくい」としつつも、現状を知ることの重大さを学んでいます。
※その他、「助けを求めない」「運が悪かったと思う」などの個別回答が約0.9%ありました。
分析のポイント
選択肢1と2を合わせると、全体の約3分の2(66.5%)の生徒が、セーフティネットの崩壊に対して強いショックや危機感を抱いています。単なる「遠い誰かの食糧問題」としてではなく、コンビニのおにぎりを買うのを迷うといった実生活の経験から、社会の変化を「自分自身の危機」として捉えている傾向が確認できました。
生徒たちのリアルな葛藤(自由記述より)
自由記述欄には、急激に変化する社会への不安だけでなく、校内のフードドライブ活動に対する冷静な視点、あるいは矛盾を孕んだ社会構造へ目を向ける鋭い意見が数多く寄せられました。
1. 日常を襲う物価高への「リアルな実感と恐怖」
「今週部活帰りにコンビニに寄り、おにぎりを買うのを迷うくらい高くなっていた。大学生になると本当に財布を圧迫する存在になると思った」
「友達とご飯を食べに行った時、フードコートのご飯がほとんど1000円を超えていて、買うことを躊躇してしまった」
「最近は物価高で両親もなんとかやりくりしてくれている。毎日過不足なく満足したご飯を食べられている幸せを再認識した」
2. フードロス削減とセーフティネットが孕む「社会の矛盾への驚き」
「食品ロスを減らすための行動が、逆にフードバンクの仕組みを壊して(回ってくる食べ物を減らして)しまっている矛盾が起こっていることに驚いた」
「余りものを出すのは良くないと思っていたが、逆に出さなかったらフードバンクに回ってくる食べ物がないのだと知った。知らない色々な取り組みをしていて勉強になった」
「企業の戦略も、すべてが社会に良いということではないのだなと思いました」
3. 高田高校の活動への冷静な分析と「支援のハードル」
「高田高校で行われているフードドライブは認識しているが、まだまだ校内の認知度や重要度が伝わっていないと思う」
「余った食料を渡すことは私達学生だけでできることではないし、物価高が続く現在、他の人に食料を分け与える余裕がない人は多いと思う」
「フードドライブを実施しているとき、なかなか寄付しようと思えないのが現実。安全を守るための様々な条件にハードルを感じてしまうので、条件を少し緩くしてみたら何か変わるかもと思った」
4. それでも「循環を支える側になりたい」という勇気
「助けが必要な時はプライドなどを気にせずまっすぐ助けを求める。そして自分に余裕ができたら、困っている人たちを助ける側になりたい」
「その箱を作るだけではなく、いつでも満たされた箱にすることが大切だと思いました。周りの人に頼られる人でありたい」
「自分が頼れるものがなかったら悲しいから、他の人に頼ってもらえるような人になりたいと思った。現状を知ったから自分も行動した方がいいと感じた」
5. 知らなかった現状、大切なことへの気づき
「こんな仕組みがあることや、お米がたくさん集まってもおかずがなかったら食卓を維持できないことなど、たくさん知ることができました。この機会に大切なことを知れてよかったです」
「普段の生活ではおそらく考えられないであろう問いに対して、よく考える機会になりました。当たり前を大切に生活したいです」
「日本でも食べることに困る人がいることに驚いた。他人の問題ではなく、自分の身近にある問題(自分ごと)として捉えて生きていくことが大切だと思った」
結び:不確かな世界で、どう支え合い、仕組みを満たしていくか
毎日ご飯を食べられたり、誰かに相談できたりする環境は、決して「あって当たり前」の普通のことではありません。社会情勢の変化によって簡単に崩れ去ってしまう危うさを持っています。
だからこそ私たちは今後、以下の3つの視点を大切にしていきたいと考えています。
・日常のありがたみへの感謝と節約(身近な生活を自分ごととして見直す意識)
・助けを求める前に、根本的な理由や社会の現状を正しく知ること
・余裕がある時に少しずつでも「満たす側・支える側」に回るという頼り合いの循環
「ノブレス・オブリージュ(持てる者の義務)を遂行するべき」という言葉を寄せてくれた生徒もいたように、お互いに助け合いの連鎖を絶やさないことが、これからの深刻な社会を生き抜く土台になります。高田高校では、この生存権に関わる人権課題に対しても、生徒自身が主体となって考え、誰もが安心して過ごせる温かい学校文化を引き続き創り上げていきます。
5月人権を確かめ合う日「ヒューマンハート特別企画」みんなの声
~「信じる」のその先へ。高田高生が考える、AI・デジタル時代の繋がり方~
高田高校が大切にしている「和敬」の精神。互いに心を開き、敬い合う心は、デジタル化が急速に進む現代において、どのように形を変えていくのでしょうか。
5月のヒューマンハート特別企画『画面の向こうの親友は、本当に人間?』で実施したアンケートには、約600名もの生徒たちから、葛藤と真摯な思いが寄せられました。その集計結果の一部を紹介します。
約64%の生徒が「繋がり」に慎重な姿勢
「少しでも嘘が混じる世界で、どうやって他者と繋がっていくか」という問いに対し、現代の高校生のリアルな感覚が浮き彫りになりました。
約35.8%が「対面至上主義」を選択
デジタルはツールと割り切り、本当の信頼は「直接会って」確かめるという声が最多でした。
約27.8%が「防衛的距離感」を選択
傷つかないために、最初から「嘘があるかもしれない」と割り切って付き合う、という自己防衛の意識の高さも目立ちます。
技術が進化するほど、確かな「リアル」を求めたり、最初から見えない壁を作って心を守ろうとしたりする傾向が確認できました。
生徒たちのリアルな葛藤(自由記述より)
自由記述欄には、「騙されたくない」という警戒心だけでなく、常に疑わなければならない社会に対する「疲れ」や、これからの生き方を真剣に模索する声など、生徒たちの等身大の葛藤が数多く寄せられました。
疑い続けることへの「疲れ」と戸惑い
「もう疑いすぎてしんどい。全部信用できない気がして怖い」 「毎日の日常を疑い深く過ごしていると、精神的にもきつい」 ──常にフェイクを警戒し、画面の向こう側を疑わなければならない現状に、息苦しさを感じている切実な声が多くありました。
便利さの裏にある「本当の豊かさ」への疑問
「AIによって複雑化することで、嘘なのかどうか分からなくなるのは、本当に生きやすくなっているのか分からない」 「AIの進歩は恐ろしいと感じるとともに、何が本当で何が嘘かを見抜く力、誰かの考えにとらわれず自分の意見を言える力を身につけることが大切だと感じた」 ──技術の進化が私たちの幸せに直結しているのか疑問を持ち、流されない自分を持つ必要性を指摘する鋭い意見です。
「嘘」の複雑さと向き合う
「人間関係の中では、友人を傷つけないためなど、嘘をついたほうが幸せなこともある。だからこそ『悪意のある嘘』を排除する方法が必要だと思った」 ──単に「嘘=悪」と決めるのではなく、不完全な人間同士の繊細な関わり合いについて、深く考察した意見もありました。
それでも「人を信じたい」という希望
「疑うことは誰でもできるから、人を信じられる人になりたい」 「嘘か嘘でないかは相手しか分からない。自分は相手を信じることしか出来ないので、信じることがやっぱり大切だと思った」 ──すべてが不確かな世界だからこそ、自分自身の「信じる」という意志を大切にしたい。そんな前向きで力強い決意が、私たちの希望だと感じました。
不確かな世界で、どう心を守り、繋がっていくか
AIやフェイクが日常に当たり前のように入り込んでくる今、誰もが「相手を信じる」という人間関係の土台に対して、強い不安を抱きはじめています。
だからこそ私たちは今後、「騙されないための技術(情報リテラシー)」を身につけるだけでなく、「それでも人を信じようとする勇気」や、「不完全な人間同士のやり取りの中にこそ、温もりや価値があるんだ」という視点を大切にしていきたいと感じました。
高田高校では、この新しい時代の人権課題に対しても、生徒自身が主体となって考え、誰もが安心して過ごせる温かい学校文化を引き続き創り上げていきます。